【第49回アカデミー賞 監督賞・主演女優賞ノミネート】
ベルイマン晩年の作品でテレビドラマを再編集したもの。
リヴ・ウルマン演じる精神科医が自らのトラウマや心の傷に呑み込まれていく様を描く。『叫びとささやき』ほどではないものの、赤が印象的で流石ベルイマンだけありバッチリ決まった画面作りが素晴らしい。
とても抽象的でまるで彼女の頭の中を彷徨っているような感覚になってくる。終盤の取り憑かれたような、まるで『エクソシスト』のようなリヴ・ウルマンの演技は凄かった。
ただ目新しさはなく、今までの再生産に留まっているような印象は拭いきれなかった。