予告を見て映像良さ気だと思い見てみて、その映像で良い点はあったけど、それ以上に気持ち悪さの感じる映画だった
序盤のモノクロとカラーを織り交ぜて脳内の映画の構想を再現する描写とかは良かったし、その妄想の中の両足の無い男も不気味な雰囲気が印象に残ったし、ここらへんではまだこの映画に期待は抱けた
続いてメインのダンスシーンも、普遍的ながらセックスのメタファー的意味合いがしっかり感じられたし、川辺や空港での野外ダンスもロマンチックで映画の醍醐味といった趣は良かった
でも良かったのはここまでで、監督とダンサーがキスしてから普通の恋愛映画になり下がって、しかも監督自身をヒロインにしてるから自己投影感が尋常でなく、それでいてステージでダンス踊ったりなんかするものだからそもそも何がしたいんだと思わずにはいられず、終いには微妙な歌で幕としていて閉口至極だった
でも映像が良くても余計かつ陳腐な話が骨子となっていたら全て台無しになるのだなとある意味反面教師めいたものになったし、そういう材料になるんじゃないかとは少し思った
それにしてもアストル・ピアソラのlibertangoはやはり不朽の名曲だ