かえるのエリー

ファウンテン 永遠につづく愛のかえるのエリーのレビュー・感想・評価

3.8
2008/09/08

「時空を超える愛」的な話と聞いていたので、もっとSFっぽいのかと思っていたのですが、まったく違いました。どちらかというと哲学的。輪廻など仏教のエッセンスが加わって、独特の不思議な雰囲気を醸し出しています。正直ヒュー・ジャックマンの坊主頭と座禅には最初は引きますが(苦笑)、私はその世界観が楽しめましたね。でも好きと嫌いがはっきり分かれる作品だと思います。

 軸は現代の物語。腫瘍(はっきりは言わないけど、たぶん脳)に冒されている妻イジー(レイチェル・ワイズ)と、それを助けようと新薬研究に没頭する医師で夫のトミー(ヒュー・ジャックマン)の物語。そこにイジーが書いた物語(中世スペイン)と空想(宇宙?)の世界が加わって、それらの話が交わり合って進んでいきます。それぞれの世界を行ったり来たりしますが、それに無理はなく、わかりやすく繋がっていると思います。

 話の中で「木」が印象的に使われています。空想世界はまるでバオバブの木がある「星の王子様」を思わせます。タイトル「Fountain」とは泉、源泉といった意味ですが、映画の字幕では「根源」とされていたのも、やはり「木」を「命」の象徴としたからでしょうか。

 そんな世界感に浸かりながら映画を鑑賞してましたが、やはり「ヒュー・ジャックマンかっこよすぎ~」なんて考えながら見てる私は、悟りの境地などほど遠いですね(笑)