生まれながらに暴力をふるいたくて仕方がない男が、社会からはもちろんのこと、組織からもつまはじきにされ暴走していく物語。実在した狂犬と呼ばれたヤクザ、石川力夫の生涯をベースに90分、バイオレンスしかないような映画でキャラクターの心情すらまともに描かれない(そもそも石川力夫自体、裏社会の人間ということもあってか資料があまりないらしい)。
戦後のスラム化したような日本の描き方が圧倒的で箱庭感もあり、延々観てられるなと思ったら元ネタが『㊙︎色情めす市場』らしく「なるほど!」と納得した。
当時、病に倒れていた渡哲也が完全に病み上がり状態で熱演。顔色が悪いのはメイクではなく地だったというのも伝説的。