爆裂BOX

ハゲタカゾンビ 感染注射の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ハゲタカゾンビ 感染注射(2007年製作の映画)
3.9
資本主義社会への復讐を目論むワシリエンコ博士はゾンビウィルスを開発するが凶暴化した被験者に噛まれ惨殺される。逃げ出した被験者はハゲタカに食われハゲタカにもウィルスが感染し…というストーリー。
このタイトルでスルーしてしまいがちですが、かなりパワフルでハイテンションなゾンビホラーです。
導入部から余計な前フリいれずにテンション高く始まるのがイイですね。監督が特殊メイクアップアーティストのロバート・カーツマンだけあって子供にも容赦しないグロシーンやゾンビの造形には力が入っています。途中の展開は「ハゲタカゾンビ」というより「ゾンビハゲタカ」ですね。このハゲタカ達も嘴で突くだけでなく超音波攻撃や浴びるとゾンビになる液体を吐きかけたりと攻撃も多彩です。また、ハゲタカだけでなくヒルゾンビや後半はゾンビ化したマッドサイエンティストや部下のドMゾンビ、女装趣味の小人ゾンビ、盲目の怪力ゾンビ等イイキャラした敵が登場します。倒れたゾンビを食ったハゲタカやヒルに二次感染が広がる展開はゲームの「バイオハザード」を彷彿します。
また、数多くホラー作品に関わった監督だけあってウイルスの名前が「レイジ」だったり、蛍光グリーンの薬品があったり、フックに背中を刺して吊るしたり、首チョンパされた胴体と頭が襲いかかってきたりとホラー好きならどっかで見た事あるシーンが満載です(後半のゾンビ化した博士の姿も「フロム・ビヨンド」や「スリザー」を彷彿させます)犠牲者役でレジー・バニスターが出演していますが彼の口から「ファンタズム」というセリフが出てくる所はニヤリとします。
話のテンポも良くて勢いを失うことなく最後まで突っ走るのもイイです。また、博士の回想シーン等も入れて背景もしっかり説明しているのもイイですね。
ただ、かなり低予算で作られているのでハゲタカのCGはかなりチープな物になっています。最後の爆発の炎のCGも浮いてましたね。ハゲタカの襲撃シーンになるとカメラがガチャガチャ動くのも見辛かったです。
ちょっと詰め込み過ぎな感じもありますが、B級ゾンビ映画としてはかなりの良作で見て損は無いと思います。ホラーファンならタイトルで引かずに見てはどうでしょうか。