たにたに

アンソニーのハッピー・モーテルのたにたにのレビュー・感想・評価

3.8
【類は友を呼ぶ】2022年45本目

ウェス・アンダーソンの長編デビュー作。
同級生のオーウェン・ウィルソンと手掛けた脚本の映画化であり、ルーク・ウィルソン、オーウェン・ウィルソンが主役を演じた兄弟共演作である。

作中では親友同士という設定で、こりゃまたドタバタな強盗劇なのである。

オーウェン演じるディグナンは、アンソニーを強盗仲間に勧誘し、その計画を半世紀先まで綿密に立てている。
アンソニーの家で練習→本番→10年後→20年後→半世紀先
と、行きすぎた下準備とむちゃくちゃな計画性がディグナンの性格を大いに表していて面白い。

ドライバーとして仲間に入ったボブと共に、本屋で強盗を決行。彼らは金を奪ってモーテルへ逃げ込む。アンソニーはイネスという客室係に一目惚れ。とにかく推しが強い。むしろストーカー。

ボブには意地悪な兄がいて、彼を小馬鹿にしている。そんな兄が密売人疑惑で逮捕。
兄に対するコンプレックスを語るボブと、それを聞くウィルソン兄弟という意図的でないにしてもメタ的な構図に笑ってしまった。

冷蔵施設への大強盗撃が今回の一番のツボ。素人集団すぎてグダグダMAX。
ディグナンの考えた計画をことごとく裏切りまくる仲間たち。
そう考えると、"練習"を計画の一部に入れるのもあながち間違っていなかったのかもしれないね。。

ディグナンのユーモアさと愛おしさに心躍る作品でした。
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