強盗で一発当てようとする三人の青年の度重なるドジを描いたウェス・アンダーソン監督商業デビュー作
監督の長編作品は現時点でコンプリート! 全作見るつもりなんてなかったけど、それでも彼の作品を追っかけてしまうのは、彼の描くキャラクターには彼の作品でしか出会えなかったためだろうか。この世界の住人はどこか子どもっぽくて、とても素直で、ユーモアがあって、どこか愛おしくなってしまう。また再会したいなと思ってしまう愛嬌がある。
それはこのデビュー作からも表れている。
心優しきルーク・ウィルソン、無鉄砲なオーウェン・ウィルソン、兄にコンプレックスをもつ仲間。くだらないことで喧嘩するし、どいつも大人げないヤツばかりだけど、潔く謝る大人っぽさも持っているし、根はやさしい(強盗だけど)。全然そうは見えないけど、全力投球。
シンメトリーの構図やポップな色彩などはまだ確立されていないが、彼のキャラクターたちはデビュー作でも変わらない。それがいちばん嬉しい。