青山

マザーズデーの青山のレビュー・感想・評価

マザーズデー(1980年製作の映画)
3.6

高校時代親友だった女性3人組が、現在の退屈な日常を逃れて数年ぶりに再開。みんなで山中へキャンプに行く。
しかし、山には狂った母親と兄弟が獲物が訪れるのを待っていた。



「『悪魔のいけにえ』を凌ぐ、バイオレンスホラーの決定版!」
って、いや、凌げてへん、凌げてへん!
いやいや、凌いでないけど、でも案外これは悪くないぞ?


まずは、遊び心のある冒頭からして「お、トロマ製品のくせになかなかええやん??」と思いました。あれは笑っちゃうさ。

そして、主人公となる3人娘の登場ですが、彼女らの高校時代のエピソードや現在の暮らしをさらっとながらも意外に丁寧に描いていて、なかなか好感が持てます。
若さゆえの暴走が鼻につくところもあるものの、そのへんがちゃんとしてるから嫌いにはならずに感情移入できて良かったです。
野球場にまつわる過去エピソードとか普通に本編より面白いし。

で、一方の殺人ファミリーに関しても、やはりけっこう丁寧に描かれるのでなんだか憎めなくなってきて、彼らが楽しそうにしてるのを見るだけで楽しくなってきちゃいます。

グロ描写としてはわりとぬるめではあるんですが、冒頭を見ても分かる通りちょいちょい捻りを加えてあの手この手で怖がらせようとしてくる、その心意気が伝わってくるのが素敵です。
終わり方も、なんつーか、綺麗なB級って感じなんすよね。B級ホラーらしさをしっかり踏襲した、よくできたバカバカしさといいますか。

まぁ、全体に、ある種こういう作品としてはお手本のような出来となっておりました。DVD買ってまで見た甲斐はあったかな。
青山

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