ちちうえ

バックドラフトのちちうえのレビュー・感想・評価

バックドラフト(1991年製作の映画)
3.0
◉ウィリアム・ボールドウィンのにやけ顔で台無し

おなじみ「料理の鉄人」のテーマ音楽にのせて、消防車が発車していく、もとい、後に「料理の鉄人」に使用された「バックドラフト」のテーマにのせて消防車が発車していく。

勇敢な消防士が爆発で亡くなり、その2人の息子のうち兄はベテランの消防士になっていて、弟も兄と同じ消防士の道を目指す。
兄弟の対立や、連続放火事件の行方などの面白くなりそうな要素があり、特撮も善戦しながら傑作になり切れなかった最大の要因はキャスティングだろう。


カート・ラッセル、ロバート・デ・ニーロ、ドナルド・サザーランド、スコット・グレン、レベッカ・デモーニィ、ジェニファー・ジェイソン・リー、J・T・ウォルシュなど目を見張るような豪華キャストなのに肝心の主役の弟役のウィリアム・ボールドウィンが弱い。

たれ目のにやけ顔で、他の消防士役の男臭い面々と比べるとかなり見劣りしてしまう。役柄が職を転々として情けないキャラクターなので最初は大きな違和感がなかったが最後に一人前の消防士になっているはずだが相変らずのにやけ顔。演技力もないし、その後もさえない役者人生を送っているのも当然か。

大分前にハリウッドの有名スターが無名時代に受けたオーディションの映像が流出し、この「バックドラフト」の弟役のオーディションにはブラッド・ピット、ロバート・ダウニーJr、キアヌ・リーヴスなど名だたるスターたちが参加していたことが判った。
ウィリアム・ボールドウィンは、このオーディションをどうやって合格できたのだろうか?ボールドウィン家の七光?

特撮やアクション場面は素晴らしい。生き物のように動く炎、抜け落ちてゆく床、爆発で中に舞うドラム缶、などは大迫力。

最後に殉職した消防士の葬列の行進場面も圧巻で、ここでの音楽もいい

しかし脚本は登場人物が多すぎたためか何か中途半端。
弟が消防士として成長する様子も、女性たちの物語も、ドナルド・サザーランドの事件への絡み方も描き切れていない感が強い。

やたらとタバコを吸う消防関係者が多いのは何か意味があるのだろうか?


U-NEXTの吹替で鑑賞
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