原作は井上靖の小説。三船プロ制作で三船が山本勘助役で主演。こういうのは大抵が「格好良い俺を見ろ」映画なのは相場だ。
今作も、三船による三船の為の三船ナルシズム映画である事は間違いない。
だがそれを踏まえても、個人的にはそこまで悪くはないと思った。
冒頭、山本勘助は武田に使えようと甲斐の国に入り、稲垣信方と知り合い武田晴信（後の信玄）に取り入る。
信玄役に錦之助。錦之助は威厳があるが、声は高いのでちょっと信玄のイメージとはズレてる気もする。
諏訪を攻め落とし、自害しようとしていた由布姫を連れて帰る。この姫に佐久間良子。
姫は信玄の子・勝頼を産む。勘助も常に姫を気にしており、どことなく気が有る風な描写が続く。
この佐久間良子を中心としたメロドラマが割と物語を占める。この辺が正直言って野暮ったい気もするのだが、見続けるとコレはコレでアリな脚本だなと感心した。
ただ、佐久間良子は少し顔が幼いんだよな。可愛い系の顔立ちなので、恋慕する三船がロリコンっぽく見えるんだよな。もう少し大人っぽい顔の女優さんの方が向いてたんじゃないかしら？
勘助と晴信は出家。このシーンは新鮮だったね。
満を持して川中島の合戦へ。上杉謙信が裕次郎。台詞も無いが幾らギャラを貰ったんだろう？？？
勘助の失策によりピンチに。その責任を取り援軍が車で孤軍奮闘。三船による格好良い三船！
全体的に冗長な感じはするが、それでも予想以上に良かったと思う。
