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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦のinazumaのレビュー・感想・評価

4.8
すごい久しぶりに観ましたが、こりゃ泣きますわ。。
…これの前作が大名作『オトナ帝国の逆襲』て…今考えてもすごい並びですね。10年に一度出会えるか級の名作が立て続けに公開されてたこの頃に戻りたい…なんて、年を取るとイエスタディ・ワンスモア的な感覚にすぐ陥ってしまう。

もうオープニングからしてたまらんですね。映画のはじまり、ワンカット目からもう上質な映画って感じがビンビン伝わる。「あぁ…今俺は"映画"をみてる…」と思わせてくれる。この時流れる音楽も最高。そして野原家のいつものギャグをさりげなくちょこっと挟みつつタイトルへ。この無駄のない流れよ。そしてこのタイトルの出方がまたヤバいですね。子供向け映画で"戦国大合戦"なんて言葉が入ったタイトルなんて普通はドーン!とかパパーン!とか賑やかな感じで出るもんじゃないですか。そうじゃなくて、水面にホワーンと浮かんでるかのように静かに出るんですね。タイトル出るとこなんて公開当時は気にもしないし、普通に忘れてましたが大人になった今観るとこういうところに感激してしまうんですね。文字通り、時代を越えても楽しめる。
そういう意味でいうと、又兵衛がしんちゃんに"金打(きんちょう)"を教えるシーンは今観ると名シーン。なんか、、すげえ。素晴らしい音楽も相まって。思わず巻き戻してしまった。重要な伏線であるということも分かる。二度目の金打には鳥肌が立った。

原恵一おそるべし。下ネタとギャグ満載のテレビ版の空気と整合性がついに取れなくなったのか、本作でクレしん映画から監督降りちゃいましたね。良い引き際だと思います。水島努へバトンタッチ後、テレビ版クレしんの空気にグッと寄ったものの『栄光のヤキニクロード』『夕陽のカスカベボーイズ』と快作が立て続けに続きます。
…でもやっぱり、もう一度、原恵一が撮ったしんちゃんが観たい…
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