生徒達がアドリブで演奏するシーンはこちらも楽しくなってくる。
ラストの演奏会は、あの子が流す涙にグッと来る。
でも実は、天才少年サムエルのヴァイオリンと問題児VRのウクレレ(?)を使ったデュオが一番好き。
その自由さはスラムの閉塞感を忘れさせてくれるし、何も説明がなくたって2人の関係性が理解出来る。
音楽の持つ素晴らしさを遺憾なく発揮しているシーンだと思う。
だがスラムという現実は、否応なくこの瞬間も引き裂きに来る。
素晴らしい音楽に聞き惚れていても、演奏が終わると襲いかかってくる。
音楽でスラムを救う?
実話が基になっているこの映画はそんなに甘くない。
それでも、音楽に包まれている間は自由になれる。