ひろ

カヴァルケードのひろのレビュー・感想・評価

カヴァルケード(1933年製作の映画)
2.5
フランク・ロイド製作・監督によって製作された1933年のアメリカ映画

第6回アカデミー賞で作品賞、監督賞、室内装置賞の3部門を受賞した

日本で公開された時は「大帝国行進曲」という仰々しいタイトルだった作品で、20世紀初頭のイギリスの歴史を描いたアメリカ映画。原作者も脚本家もイギリス人で、フランク・ロイド監督もイギリス出身だから、実質はアメリカ資本のイギリス映画と言ってもいいだろう。

フランク・ロイド監督と言ったら1930年代を代表する監督で、アカデミー賞では馴染みの顔。アカデミー賞常連という以前に、アカデミー賞を主催している映画芸術科学アカデミーの創立者の一人なんだから、超偉大なる人物だ。スケールの大きい作品を得意とした監督だ。

イギリスを舞台にした作品は階級社会を描く作品が多いが、大抵は下層階級から見たイギリスを描くのが主流だ。しかし、この作品が面白いのは、上流階級の家族を軸にして、20世紀初頭のイギリスを描いていることだ。有名な例の豪華客船なんかも登場するし、戦時中の上流階級の在り方も興味深い。

ただ、やはりピンとこないというか、全く共感できない。歴史を勉強しただけといった感想だ。全体的に演技がくどいのも気になった。トーキー初期だから舞台俳優が多かったりして、舞台そのまんまみたいな演技になっているのかも。フィルムの保存状態も悪かったみたいで、画像と音声の劣化が気になった。アカデミー作品賞受賞作品だから観ておこうってぐらいの作品かな。
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