スローターハウス154

アメージング・ハイウェイ60のスローターハウス154のレビュー・感想・評価

3.8
2018/1/28

ワゴンセールでお安く購入できたのも、この映画を観終わった後からすれば「この出会いは偶然ではなく必然だったのかも..!」と神秘主義的思考に支配されてしまう。そう、スピリチュアルな内容でした。
父や周りからの期待や約束された将来を振り切って画家になるべきか、人生の岐路に立つ22歳の主人公。そんな悩める彼はある日答えを見つけるために不思議な旅へと迷い込む。
スピリチュアルなんだけど重くなく、コメディ寄りなのに智慧に満ちた言葉が多い。
何だろうこれ、なんか身に覚えがある...
そうだ、『銀河ヒッチハイク・ガイド』とネトフリのドラマ『ダーク・ジェントリー』だ!どちらもダグラス・アダムスが原作なんだよね(読んだことないけど)。
この映画はどんな作品かを簡潔に説明するなら、上記の2作品をマイルドにした感じと答えるかな。

設定や個性的なキャラ達とか面白いし哲学的な内容で考えさせられるし、良い作品だなあと思ったんだけど、「良い言葉」ばかりを詰め込んでいる感じがして少しクドい印象を抱いた。この主人公みたいに何か突破口が必要としている時期にいる人であれば、きっとどの言葉もわりかしスッと入ってくるのかもしれない。
今の僕には、生意気かもしれないんだけど、どれも聞き飽きた言葉でした。
どんな小さな出会いにも何かしら意味がある。その出会いは偶然ではなく本当のところは自分が望んでいた出会いなんだということ。これは確かに本当のことで、何もスピリチュアルだなんて冷やかすことじゃあないんですよね。ただそういう実感ってなかなか湧きにくいし、敢えて人前で口にする事ではないだろうしね。

ひとつ気に入らなかったのが最後。個人的には、ご都合主義の最高のハッピーエンドは描かない方が良かったと思います。
自分の本心に従って人生の選択を下す、ということがこの映画のテーマなのであって、その選択した結果をも描くのはちょっと趣旨がズレてる気がする。選択した結果が上手くいこうが行くまいが、納得できる選択を下せるかどうかが大事なんじゃないかなあと。

でも、隠れた名作ですね。学生のうちに観ておきたいかも。
主人公とタメじゃん、ギリギリ間に合った..( ´Д`)=3 フゥーッ