中庭

ありきたりの映画の中庭のレビュー・感想・評価

ありきたりの映画(1968年製作の映画)
3.3
ジガ・ヴェルトフ集団名義の作品の中でも上映時間長め。政治運動のフッテージに由来する音声はほとんど流れることなく消失し、顔面を失ったメインの男女たちの代替として見ればいいのか、闘争者たちの表情はいきいきとしていて、茫然と眺める他はない。画面上の文字の刻印はファイナルカット以外ほぼ無し。延々と討議を続ける男女たちの映し方に段階があり、草に隠れつつも背中と手癖を注視→横顔がちらりと映り込む→高層マンションに見下ろされたロング・ショット→顔はこちらを向いている者が多いが見事にフォーカスされた前景の花に隠れる。
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