TAK44マグナム

パラサイト・バイティング 食人草のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.3
ちょっと真面目すぎ(汗)


古代マヤの神殿を見学に行った若者たちが現地人と人喰い植物に襲われて、にっちもさっちもいかなくなるお話。
何故かベン・スティラーがプロデュースしていますが、どうやら原作がベストセラー小説みたいなのでその線からでしょうか。
日本だとDVDスルーでB級映画の扱いですが、いまいち地味なキャスト陣と作品の出来映え自体の問題で仕方のないところかと。
ジョナサン・タッカーにしろ、ジェナ・マローンにしろ、それなりのバジェットの作品に出演経験があるとはいえ、そこまで名の通った役者さんかというと厳しいですし、ベストセラー小説の映画化にしては(シチュエーションホラーという事を考慮しても)こじんまりとした印象が拭えないですからね。

肝心の植物モンスターですが、はっきりとした正体は明かされないものの、蔦を絡ませて死体を取りこんだり、人体に寄生したり、○○の○○○のモノマネまでするお茶目なヤツ(苦笑)
これが外界に進出したら大変なわけで、良識ある現地人の方々は苦慮しているわけです。
そこで、事情を知らない他所者が神殿に来たらなりふり構わず周囲を封鎖して閉じ込め、それでも外へ出ようとしたら速攻で処刑!するという活動に励んでおります。つまり強制ロックダウン!
理解は出来ても正直、怖い!
加えて、言葉が通じないので他所者にしてみれば何がなんだか分からないままに殺されたりするので理不尽極まりない(汗)

で、そこへ何も知らない外国人の若造たちがキャッキャウフフとイチャつきながらやって来て、前門の人食い植物、後門の武装現地人という絶体絶命マヤ神殿、来なければ良かった!状態になっちゃいます。
あとはお決まりの人間関係脆くも崩壊、地獄のサバイバルという展開。
しかしこの辺りがちょっと薄味で、そこまでギスギスしないし、人食い植物に囲まれているわりにはサバイバルもどこか緩い感じです。
もっと分かりやすい狂気が欲しかったかな〜?
テンポは比較的良いので観易いのですが、すんなりといってしまうオチが弱いのも残念ですね。
未見ですけれど(他の方のレビューを読むと)DVDに収録された別エンディングの方が評価されている感じがします。

ゴア描写に関しては、両脚切断や体内に侵入した蔦を取り出そうと全身を切り刻むエグい描写もあります。
特に全身を自傷するのは生理的にダメな方もいそう(汗)
これで、もう少し人食い植物が活躍すれば良かったのに、いかんせん刺激的な大暴れをしてくれずにモヤモヤ。
若者たちを閉じ込めるためのエクスキューズ、それ以上は機能していないんですよね。
死体を貪るような、嫌〜な「皮膚感覚」を重要視したのかもしれませんが、人食い植物が主役になりきれていない感が強く(もしかしたら原作がそうだからなのかもしれませんが)、全体的に地味で勿体ない作品に思えてしまいました。
トンデモクリーチャーとしてバーン!と出てくれたら、それだけでも満足感が違ったはず。
ただし、シチュエーションホラーとしては決してつまらない部類には入らず、どちらかというと良作の域。
それだけに、こじんまりとしてしまったのが重ね重ね残念でなりません。
こういう胸糞悪い系ホラーは雰囲気も勿論大切。そして、突き抜けるようなバカっぽさも必要なのだなと教えてくれる事に、本作の意義があるのかもしれませんね。

冒頭で水着姿を披露してくれるヒロイン2人は可愛くて良かったです。
そのヒロインたちを徹底的に酷い目にあわす内容なので、そこに「ある種の嗜好」が合う方にはオススメかもしれません(汗)


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