すとんこ

燃えよ、マッハ拳!のすとんこのレビュー・感想・評価

燃えよ、マッハ拳!(2011年製作の映画)
3.0
DVD所有(中古562円)

近代中国武術の蔡李仏(チョイリーファッ)拳道場の買収を画策する企業・ファンメイの企みを阻止せんと闘うって話☆

※本作は鑑賞数が著しく少なく、またオススメ出来るレベルに達していない、且つ、わたくし自身も再び鑑賞したいと思わないので、備忘録も兼ねてネタバレ全開で行きたいと思います。

キャストやアクションはなかなかに豪華(回想シーンで登場する要人護衛のカンフーの達人は『イップ・マン誕生』のデニス・トーだ!!)で、それぞれが腕に覚えありな面々なので魅せてくれます(スローと細かいカット割りが多用されますが)が、ストーリーパートが「コレ、本当に2010年代の作品か!?」と疑いたくなる程に稚拙。取って付けたように蔡李仏拳側の主人公と買収側の担当社員との禁断の恋が始まり、しかも買収側の武術顧問との三角関係へと発展していきます。あぁ、クサぁ。

前時代的な修行に明け暮れる蔡李仏拳側に対し、絶大な資金力と人材で先進的なトレーニングをしているファンメイ勢、という図式にしたい(『ロッキー4』スタイルのアレですよ!)のでしょうが、トレーニング機器を取り揃えた設備で見た目はそのように見えますが、その実やってることはサンドバッグの中身が鉄の玉だったり、鉄の玉を詰めた壺に手刀を突き刺すなど、かなりの根性トレーニング。真面目にちゃんと強くなりますよ、それは。もっと科学的にドーピングとかやんないとワルさが際立たんと思いますよ。チート推奨。

そんなファンメイ側のトレーニングを目の当たりにした蔡李仏拳側は、その圧倒的攻撃力に対抗する為に、洪家拳、太極拳、ムエタイの達人たちを招いて、ひたすらそれらの攻撃を防御するという修行を取り入れます。各達人の動きが本格派だったのでこのシーンは割と好き。

買収阻止の為に組まれた3対3の武術勝負だったはずが、いつの間にやらアリーナ会場に観客を入れて賞金300万円を賭けた勝負になってます。ま、盛り上がるしいっかぁ(投げやり)。

激しい修行シーン(アガる!)、安い恋愛シーン(サガる…)、2回程の回想シーン(背景は何故かブルーバックのCG、謎!)、そしてなかなか生活水準が向上しない不満を兄弟子にぶつけるその妻(「老いぼれ師範の面倒見る為に引っ越しも出来ないわよ!!」との妻の暴言をうっかり影で聞いてしまうホン師父の悲しい姿、泣ける)のシーンを経て対決の時が訪れます。

二本先取の三本勝負、熱い、熱ーいカンフーバトルが開始され、悲しいかなアガってしまうチャイルディッシュ・マインドなわたくし。
そしてお約束のように一対一で迎える大将戦。武術大会物はこうでなくっちゃ!一進一退で激しくぶつかり合う二人。そう、この二人は一人の女を取り合う恋敵でもあります!この手の場合ワル側はダーティな戦法だったり、インチキしたりして主人公を追い込んできますが、本作でのワルは基本的にクリーン。
「いったい何の攻撃が効いたんだ!?」っというタイミングで謎のノックダウン!勝利と女をもぎ取る主人公。その姿を見て「フッ」と無言で頷いてその場を去るワル大将、クリーン!!イイ奴過ぎるぞ!!

勝利に酔いしれる蔡李仏拳勢を尻目に、賞金の300万を手に「エチオピアに道場開くから、あとはシクヨロ!」ってな具合でドロンするロイことサモ・ハン・キンポー!!
冒頭と回想シーン、そして終盤にチョロっと顔出す程度の出番で、美味しいとこ全部取りなサモ・ハン。あんたが一番ダーティだったよ!!っとキレイなオチがついて本作は終了します。

「蔡李仏拳は、アヘン戦争、太平天国の乱、辛亥革命、抗日戦争を経た近代嶺南最大の近代武術だ。
また広東武術で唯一の国家文化遺産保護項目で、海外五大陸に百年間伝わる不滅の中国武術である!」
とエンドロールで語られます。熱い、というか暑苦しいです。

なんだかんだ言っても、こんな映画好きだなぁと、結構、楽しんでる自分に気付かされる一本(^_^)☆
※中古で500円くらいなら買ってもいいかも♪って思ってネット調べたら562円で売ってたので、思わずポチりました☆



○キャスト○
キッド(蔡李仏拳代表大将):サミー・ハン
武田ケン(蔡李仏拳代表中堅):ケイン・コスギ
フェイ(ファンメイの買収担当):ー
ロイ(蔡李仏拳の師範、普及のために世界を放浪):サモ・ハン・キンポー
ホン(蔡李仏拳の師範、ロイの弟、道場を任される):ユン・ワー
ホイ(キッドの兄弟子、蔡李仏拳代表先鋒):ー
コン(ファンメイ武術顧問、大将):ー
チンセン(武術大会ファンメイ代表先鋒):ー
X-MAN(武術大会ファンメイ代表中堅):ー
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