ケルジェネツという河のほとりで起きたロシアとモンゴルの戦争を、フレスコ画を模したアニメーションで描いた短編。
質感とか色彩感覚なんかが切り絵アニメとは思えないほどリアルで、本当に壁画が動いているかのような素晴らしいクオリティ。この感触はCGでは作り出せないだろうなぁ。
残虐なシーンにおける強烈な赤と黒と、平和な場面の柔らかい青と緑の色遣いがまた良い。この鮮烈で美しい色味が一番の魅力と言っても過言ではないかも。
戦闘の場面も、前作『25日最初の日』の怒れる群衆たちの描写を更にパワーアップさせたような迫力で、平面とは思えないようなスケール感に圧倒された。
(2019.93)