イチロヲ

ネクロマンティック2のイチロヲのレビュー・感想・評価

ネクロマンティック2(1987年製作の映画)
4.0
恋人と健全な関係を築いている女性が、自慰行為中に死去した青年の遺体を掘り起こすことにより、ネクロフィリア(死体愛好家)の精神を滾らせていく。前作から物語が続いている、死体愛好シリーズ第2弾。

主人公の女性にはノーマルな彼氏がいるのだけど、自身のネクロフィリアの精神が足枷となり、性生活に歪な空気が漂い始めている。前作の主人公の遺体を挟んだカタチでの、奇妙な三角関係が醍醐味となる。

前作にあったギャグ要素は若干薄まり、「性愛の多様性」を示す方向に振り切っている。死姦シーンにて優雅な音楽が流れるのは、行為に没入している当人の立場からすると、まさに至福の時間であることを意味している。要するに、愉しんだ者勝ちということ。

前作の主人公が、特殊な性的嗜好を共有できる新しい恋人と、亡骸となった状態でようやく出会えるところが哀感たっぷり。全体的に陰々滅々としているが、前作との色分けに成功している。
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