前作のラストをモノクロでリプレイしてはじまる正統続編。
前作の主人公と喧嘩別れした元カノが、今作では主人公になります。
2作目なので監督もこなれてきたのか、変な言い方ですけど映像に分かりやすいカルト感が出てきてますね。やけに凝ったカメラワークを使ったりしてるあたりオタクっぽくて好きです。
冒頭からして、フェチ丸出しな脚の撮り方とか、エロ暗喩っぽく挿入されるナメクジとか、くるっと回る墓掘りのシーンのカメラワークとか、アングラな感じが最高っす。フェチといえば、ゴム手袋とか背骨とかもすごい好き。監督とは性的な趣味が合うかもしれない......。
またデートのシーンは、よく晴れたのどかな休日の午後なんだけどどこか陰のあるローファイな映像で、絶妙なインディー感を出しててめちゃくちゃ良かったです。
ストーリーも前作よりは開かれた印象です。
ネクロフィリアの青年の鬱屈というパーソナルなテーマだった前作から、今作はもうちょい広く「マイノリティの生きづらさ」といったテーマが感じられます。
「誰もが同じものに興奮するわけじゃない!」という力強い異端宣言には、こういう気持ち悪い映画を観て喜んでる1人の変態として喝采を送りたいですね。よくぞ言ってくれました!
しかしそんなこんながあるだけに、異端者の孤独を強調する美しくも醜悪なラストにはじんわり涙腺が熱くなりました。ああいう光景は好きですけどね。
アザラシくん......。