あや

ジプシーのときのあやのレビュー・感想・評価

ジプシーのとき(1989年製作の映画)
3.9
ジプシーとして生まれたベルハンは優しい祖母と足の悪い妹とろくでなしの叔父と暮らしている。
ある日村一番の金持ちのアーメドが村に帰ってきて、ベルハンは妹の足を治すために愛するアズラを置いてアーメドについて稼ぎに行く


「アンダーグラウンド」と同じく、ジプシーという人々の生活の裏で泥臭く必死に生きる者たちが描かれている。
日本だとジプシーを見ないのでピンとこないかもしれませんが、ヨーロッパを旅行したときは通行人に声をかけたり芸を披露して日銭を稼いでいるジプシーたちをたくさん見ました。
そんな世界で生きていてもベルハンはとても心優しく人を信じる青年でした。そんなベルハンが裏切られ、傷つけられ、「自分の人生に意味はあるのか」と問うのはとても悲しい。


"人生は蜃気楼だ"
意味のない人生にみえてもベルハンはアズラを愛した過去があったし、祖母からも十分に愛をもらっていた。自分の人生に意味があるかなんて生きている間はわからないかもしれないけど人の役に立ったか立たないかでは人生意味の尺度は測れないと思う。
アコーディオンの音色が哀しく響くなかベルハンがみる夢はとても幻想的で美しかった。
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