Kohl

ジプシーのときのKohlのレビュー・感想・評価

ジプシーのとき(1989年製作の映画)
4.5
白昼夢のような世界観と、現実のジプシー達のシビアな世界観が混ざり合って、ノスタルジックな美しさを感じる反面、悲しい現状を遠目で見ているような現実感の映画。定住地を持たないジプシーの様に登場人物の心は移り変わりが激しく、欲望に従って生きる人物ばかり。時折流れるGoran bregonic の曲が印象的、最初にインドルーツとされているジプシーの始祖の様な人々が出て来るシーンから本作のテーマ曲の様に使用されているederlezi という曲。終着点が見えないジプシーという民族自体の、人生観、旅が示唆されているような気がする。
ジプシー差別といった直球の映画でもなく、エミールクリストッツァ的突拍子無い表現のオンパレードで白昼夢のようなスタンスで見れます。
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