ちろる

囚われの女のちろるのレビュー・感想・評価

囚われの女(1968年製作の映画)
3.7
芸術家である夫が展覧会を開いた画廊のオーナーであるスタンと仲良くなり、ひょんなことから彼のサディスティックな性的趣向を見つけてからなぜだか体が疼いて仕方ないジョゼ。
初め、スタンの言葉による責めによって、瞳を潤ませる姿は自立した気の強い女性に見えた最初のジョゼとは全く違くなる。
強気の皮を破り心をさらけ出して服従することが辛くて泣いていると思っていたけど、嬉しくて瞳を濡らしたというジョゼ。
これを機に家庭を顧みることなくどんどんとスタンの虜になっていくのはあっという間だったけど、そのハマりようがなんとも共感できなかった。
特にパッケージから連想するような官能的なシーンは無く、スタンのアトリエにある現代アートのモチーフをコラージュしたようなポップでおしゃれなシークエンスが印象的で、彼らの背徳感やドロドロ感は全く感じられない。
感情に裏表がなさすぎるジョゼとは正反対にかなりずっしりとした闇を抱えているスタンは人形をグネグネ触る初めのシーンから相当気持ち悪かったから私も彼に夢でうなされてしまいそうだ。
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