公開当時どハマりして、お小遣いの許す限り、映画館に何度も足を運んだ。DVDじゃなくてVHSも買って何回も見た。
あれから20年経っている。
今回は、地上波で放送していたので鑑賞。
もしかしたら冒頭のアシタカは、全てに絶望していたんじゃないかと、今更、気がついた。
彼は圧倒的に理不尽な理由で、自分の世界から追い出され、しかも呪いまで背負ってしまった。カヤとの別れのあの笑顔は、そんな絶望を感じさせないために無理に作ったものだった。哀しめたら楽なのに哀しめない。だからこそ、アシタカの闇は深い。
でも、旅立ちの朝や旅の景色はあまりにも美しい。生きていく意味がわからなかったアシタカの心に、その景色は染みたんだと思う。
「生きろ。そなたは美しい」
サンに伝えたあの言葉は、そのままアシタカが出した答えだったのだ。どんな絶望の中でも生きるに値するものがある。その一つが「美しい」ということだったのだ。
この映画は正直何も解決せず、終わってしまう。だからこそ、観るたびに新しい発見があるのだろう。
また、いつか観ようと思った。
それにしても、始終、ヤックルが可愛い。
これだけは何回観ても不変だ。