KodaiUehara

もののけ姫のKodaiUeharaのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.5
生きろ。
本作の主人公アシタカは、一貫してこのメッセージしか発していない。人間vs動物と神。文明vs自然。時には人間vs人間。彼はどちらにもつかない常に第3者である。お互いの文脈において正義と正義の闘い。勿論答えなんてなくて、そんな中でのこのアシタカの姿勢である。「生きろ。そなたは美しい。」様々な葛藤やアイデンティティに悩むサンに対してのアシタカの言葉だ。僕は痺れた。そして、ハンセン病で苦しむ包帯の長が涙を流しながら呟いた言葉が、ずっと耳に残る。「生きたい。」と。
人間の愚かさや醜さを見事に炙り出しながらも、それでも僕たちは生きていい。理由なんていらない。そんな力強いメッセージを僕は受け取った。
ちなみに、今回の事件の元凶と言ってもいいエボシ。僕が1番かっこいいと思ったのは彼女だ。彼女の発言や行動原理の裏側を調べると半端なくかっこいい。
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