やわらか

もののけ姫のやわらかのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.1
封切り時の劇場以来の観賞。今振り返るとまだまだ宮崎駿の若さ、青さみたいなのが感じられる。不思議と魔女宅とか紅の豚はそういう感じしないんだけど。

この青さというのは、カッコ悪いタイプのいやらしさ。少し前についったでも話題になってたけど、アシタカのサンに対する行動も怪しげなストーカーっぽい気もするね。

あと、客層考慮するとしょうがないかもだけど「神殺し」とかを台詞で話してしまうのは野暮ったいかなと思った。なんか大学の時に読んだ(その時に感化された)本をオッサンになってからまた読んだときみたいな。

70年代ぐらいのアニメだと神話「を」描くのではなくて、それ自体が戯画化された神話であった気がするけど、それは自分の年齢にもよるのだろうかしら。

でも、この作品があったからこそ、そういう概念が日本のポップカルチャーのコモンセンスになって、むしろ二次創作とかでギャグに出来るぐらいになったんだよね。

もはや現代の古典であることは間違いなく、またこれ以降の宮崎作品は良し悪しは別にして青さが抜けていくので、やっぱりある意味では頂点だったのかなと思う。

恐らく次こそは(出るとすれば)遺作になるだろうから、一連の作品がどういう閉じ方になるのか興味深い。
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