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セブンス・コンチネントのmiのレビュー・感想・評価

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)
4.5
観ず死ね絶望シネマ特集で気になっていたので鑑賞。
ミヒャエルハネケデビュー作。
こんなデビュー作作っちゃう人間は頭がおかしい(褒めてます)
これが実話に基づいてるとのことで、人間の内面の怖さを存分に味わえる。

三部構成からなる本作だが、1.2部では何も起こらない。
淡々と日常生活を映す。とはいえ、その日常生活というのも、なんとも言えない独特の画が中心で、どこか不穏で怪しい雰囲気を醸し出している。
基本的にヨリの画を多用し、人の表情が見えない。そこに存在するものが無機質なのだ。
跳び箱飛ぶだけのカットとか意味不明すぎて、逆に印象に残る。

三部に入り、急展開。
それまで以上にカットアウトで入る黒みに怖い印象をもつ。
そして、食事を用意するシーンとノコギリやチェーンソーを用意するカットが交互に入り、日常と非日常または生と死の対比構造を映し出す。

破壊行為も顔が一切見えないおぞましいシーン。
例のトイレに流すシーンは、そこまでしなくてもいいのにビリビリに破いて捨てる。あれきっとホンモノですよね、、、

一連のシーンが何を意味しているのか、そして家族が最後にとった行動の心境の変化なども一切描かれず、強烈な印象を残したまま終わる。
変態鬱映画。

ハネケは最新作しか観たことなかったので、順を追って観ていこうと思う。
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