途中まで良かったが、終盤微妙
摂食障害は社会全般で蔓延る過度な女性へのまなざしを女性自身が内面化したことで起こるという主張を冒頭で匂わせながら、
その克服が母親との関係性に集約されてしまうのは、個人的にあまりすっきりしなかった
もっとアメリカの抱える社会問題と絡めながら描いてくれると良かった
一番期待していたキアヌ演じる医者も、
型破りさがあまり効果を発揮していないというか、
結局何もしてなくない?という疑問が拭えず残念
ただ意欲的な作品ではあるのでそこは評価したい
7/30 追記(軽いネタバレあり)
私個人として、摂食障害は社会的な要因によって生まれた現代病だと感じている
なのでその解決は患者と社会との関わり方をときほぐすことによってなされてほしい、という願望めいたものがあるし、本作にもそれを期待していた
しかし本作の主人公は、母親が自己啓発めいた本を書くらしい物書きの知り合いから助言されたという、赤ちゃんに還る(口唇期に還る)行動、わかりやすくいえばスピリチュアルな思考によって、
自己の内へ内へと深く潜っていき、
摂食障害を乗り越えようとするのである
この、他者との関わりを一切絶った、限りなく自己言及的な解決方法が、
私の好みと全く合わなかったゆえに、イマイチに感じられたのだと思う
ただ世の中にはそうしたスピリチュアルな考え方に共感を示す人々が少なからずいるので、
そうした人々にはかなり好ましいラストになっているのではないだろうか