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殺しのベストセラーのsugasanのレビュー・感想・評価

殺しのベストセラー(1987年製作の映画)
3.5
15年前に自身が居合わせた強盗殺人事件を題材にした著書がベストセラーとなった警官デニスと、ある日突然彼の元に現れ自伝の執筆を依頼する謎の男クリーブ。

殺し屋と警官という互いに相入れない存在でありながら奇妙な友情で結ばれていく二人の男。
風変わりな題材に目を奪われがちだが、実は一級品のバディムービーでもある。

「親友クリーブからデニスへ」と刻まれた高級腕時計を贈るも受け取りを拒否されしょんぼりしたり、暗闇の寝室で互いに銃を向け合いながらニヤニヤしたりと、ベッタベタな男同士の友情は見もの。

ガバガバな調査、何人殺しても罪に問われないロスの無法地帯っぷり、最後は犯人側の自滅で幕引きと、サスペンスとしての魅力は薄いが、二人のキャラクター、特にクールさと人間臭さを併せ持つクリーブの造形は出色の出来。

完成度の高い映画ではないが、ジャケットの二人にピンときたなら観ておいて損はない娯楽映画の佳作。
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