イチロヲ

2000人の狂人/マニアック2000のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
アメリカ南部の土地に足を踏み入れた北部の旅行者たちが、南北戦争の怨恨を抱えた住人により、凄惨な虐待行為を受けてしまう。フルカラーによるゴア描写の先駆者、ハーシェル・ゴードン・スミスによる低予算ホラー。

ゴア描写の黎明期ということもあり、スプラッターの特殊メイクはかなりチープ。残酷表現のオモチャ感が半端なく、親指を切り落とす場面では、(隠しているつもりの)本物の親指が丸見えになっている。

ドラマ面では、南部住人が百年式典のお祭りムードのままで虐待行為するという、株玉のホラーが機能している。怒っている狂人よりも、笑っている狂人のほうが数倍恐ろしいことがよく分かる。

趣向を凝らした虐待方法と演者のノリノリの芝居が単純に面白い。そして、後のスプラッター映画の起点となっていることを慮ると、感慨深いものがある。
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