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たそがれの恋/グレイト・フラマリオンの3104のレビュー・感想・評価

3.6
死にゆく主人公がいきさつを振り返る導入部、「ファム・ファタール」なる女性の存在・・など、いわゆるフィルム・ノワールの条件は揃ってはいるが、犯罪ものというより主人公の哀れさがただただ強調される作り。監督はのちに西部劇でいくつもの作品を残すアンソニー・マン。

主人公フラマリオンはピストル撃ちの曲芸芸人。
腕は立つが偏屈で、人と関わらず孤独なこの役をエリッヒ・フォン・シュトロハイムが熱演している。扱いにくい初老の男という、当時の映画界における彼そのもののような役回り。

そんなフラマリオンが悪女コニーに誘惑されそそのかされ、道を踏み外し転落していく様が冷徹に描かれる。
あぁ情けなや老いらくの恋。彼の純情さや過去の傷をうまく刺激したコニーの魔性ぶりよ。

恋に浮かれるフラマリオンがホテルのスイートで独りウキウキで踊る様子は可哀想でとても観ていられない。そして最後にコニーが彼に浴びせる罵詈雑言のひどさといったら。Bitch.

現題『グレイト・フラマリオン』
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