TAK44マグナム

ストライク・バックのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ストライク・バック(2007年製作の映画)
3.9
反撃の時きたる!


なんとも微妙だったリメイク版「ロストウィークエンド」のジェイミー・ブランクス監督が手がけたリベンジ・スリラーですが、これは中々の拾い物!
快作でしたよ!
コラリー・ファルジャ監督の「リベンジ」に足りなかった不健全な残酷趣味がビシッと幅をきかせてました。


仲睦まじい、弁護士の旦那さんと芸術家の奥さんの夫婦が休暇を利用してボート遊びに興じるんですが、嵐が近づいてきたので帰ろうとします。
しかし、マングローブの林で迷子になり、無事に漂流状態に。
なんとか島に上陸したものの、そこがどこかもわかりません。
建物を探すと農場があったので、これ幸いとばかりに助けてもらおうと思ったら、そこはマリファナ栽培で生計をたてているキチガイ親子の巣窟だったのです!
「勝手に土足で人の家に上がりこみやがって!」と、怒った長男が料理を作れだの、お尻を見せろだの無理難題をつきつけてきます。
このままだとレイプされて殺される!となった夫婦は何とか逃げ出そうとしますが・・・


前半は少々野暮ったいものの、ひとたび奥さんが殺る気をだしてからはエンジンがかかって絶好調!
旦那さんが「(人を殺すなんて)そんな事はやめろ」などと、この期に及んで情けなくも止めようとすれば、「生き残るためよ」とバッサリ一蹴、活き活きと罠づくりに精を出す奥さん。
その目はさながら獰猛な獣を冷静沈着に狩るハンターのよう!
素晴らしいですな!
そう、あんな非道で風呂も入ってなさそうな野郎どもはグチャグチャのゲボゲボにしてやるがよろし!

それでもって、たしかに前半はかったるいんですよ。
テンポも良くないし、旦那さんがクソの役にもたたな過ぎまして。やっぱり無菌状態の都会で弁護士をやっているようではワイルドな田舎では何も出来ないのか、というね。
というか、この事態を招いたのは旦那さんの行動や選択のミスからなんで、本当にどうしようもない(汗)
それに比べて、奥さんの凛々しさ!
隠されていたサバイバリビティの高さ!
かったるい話の中にも、奥さんが釣りも出来ない人だったり、カンガルーの子供を殺せと命じられても出来なかったりと、奥さんの弱さを印象づけているんです。
それが、人間がもっている生存本能や獣性が覚醒すると、こうも強くなれるのか!
こういったリベンジものを観るたびに、やはり女性強し!と思い知らされます。
特にこの奥さんには、他にも女性ならではの強くならなければならない理由があるので、並の悪党などでは相手になりません。
覚悟が違いますよ!

さぁ、ここからはフルスロットルで反撃開始です!
まずは罠をはり、アントニオ・バンデラスの出来損ないみたいな顔した次男を血祭りにあげます!
目ん玉飛び出るまでボコりますぞ!

お次は独裁者を気取ってる呑んだくれ親父に天誅!
おまえみたいな変態にチンコなんぞ要らん!とばかりにチンコをズタボロに破壊!
最終的には犬のエサ!

残ったのはイキってばかりいる長男ですが、奥に隠してあったホバークラフト?で追いかけてきます!
しかし、このデッカい扇風機をつけたホバークラフトが映画に登場すると、九分九厘、最後には同じような残酷イベントが発生するとご存知でしょうか?
知っているなら絶対に乗らないはずなのですが、どうやらこのアホな長男はそんな映画的ルールを知らなかったようです。
さてはポルノばかり観て、ちゃんとした映画を観たことなんて無いのでしょう。
一体どんな血飛沫が舞うのか?!
それは観てのお楽しみですが、ヒントは「フランケンフィッシュ」や「フライングジョーズ」です!
そして、○ンチです!
え?観ていないから分からない?
とりあえず「フランケンフィッシュ」は愉快痛快なので推奨しておきます!(←やや強引な誘導)

それにしても物語上仕方ないとはいえ、旦那さんの不甲斐なさといったらないなぁ。
後半になると、「殺れ!ブッ殺せ!」などと景気良く奥さんにハッパかけていましたけれど、足が折れているとはいえアンタもちょっとは役に立ったらどうなんだよ、と。
完全に奥さんに負んぶに抱っこで、頼りにならない姿にイライラしっぱなし!
挙句には粗チンって馬鹿にされるし(苦笑)
だいたいね、相手につけこまれるような事ばかり言ったり、するからよろしくない。
勝手に家に上がりこめば、そりゃ文句言われますよ。

何にしろ、田舎の農場に助けを求めると8割がた「電話が無い」「夜が明けないと何もできない」
「結局は拷問されて死ぬ」と相場が決まっているので、まずは田舎でのヴァカンスを諦めることから心がけないと、いくつ命があっても足りません!
皆さんも、玄関叩いて出てきたのが気の良さそうなお爺ちゃんか、それともラリってそうなサイコパスかを瞬時に判断できるよう、田舎ホラーをたくさん観て、その時に備えて予習しておきましょうね!(←かなり強引な誘導)


ちなみに、頭の良いチンパンジーがエリザベス・シューの裸に欲情する「リンク」や、ラッセル・マルケイの底抜けイノシシ映画の「レイザーバック」と同じくエヴェレット・デ・ロッシュが脚本を担当しています。
ジェイミー・ブランクス監督とは「ロストウィークエンド」でもタッグを組んでいますが、(オリジナル版同様に)何だかよく分からなかったあちらと違って、本作はゴリゴリとした後半のノリが巧くハマった感じでしたね。
ヴァイオレンスなリベンジものがお好きな方にオススメです。

※DVDのジャケ絵は、ちょっと詐欺っぽいですよ。


ゲオ宅配レンタルにて