プレイタイムの作品情報・感想・評価

プレイタイム1967年製作の映画)

PLAYTIME

上映日:2014年04月12日

製作国:

上映時間:125分

ジャンル:

4.0

「プレイタイム」に投稿された感想・評価

これを2時間観れたの私すごいや。
近未来都市パリでの日常風景を切り取ったコメディ…らしいのだけど、カメラに映るキャラクター達や生活音、話し声、精巧で統一された街の風景がちょっと気持ち悪い。無機質な色彩で統一されているのもさすがフランス映画。
一つ一つ切り取られた日常風景を客観的に観てみると、不気味でシュール。これをコメディと呼ぶ意味もなんとなく分かります。
特にセットの緻密さは素晴らしい。1967年に本作が完成していて、その翌年に「2001年宇宙〜」が完成している。ひょっとすると「2001年」より精巧な映画なのかもしれない…
sae

saeの感想・評価

3.5
全員見逃せなくて終始シュール!
いい意味で!
二兵

二兵の感想・評価

5.0
オールタイムベストに入る一作!!!

久々に観直したが、本当に素晴らしい。映画に確固たるストーリーを求める人には向かないかもしれないが、普通とは違う世界観を持つ人、人間観察が好きな人、不条理を超えたカオスかつ狂騒的な笑いが好きな人は絶対にハマる。

超高層ビル、空港、アパート、駐車場、レストラン…巨額の予算を投じてこれら全てを丸ごとセットで作り出し、劇中に登場する100人以上の人々一人一人に自ら演技をつけて作品世界を完全にコントロール。

1960年代のフランスとは思えない程、凄まじい近未来世界を作り出してしまった"神"ジャック・タチの狂気には、僕らはただただ打ちのめされるしかない。

『ぼくの伯父さんの休暇』『ぼくの伯父さん』にあった都会と田舎との対比が無くなり、そこに映し出されるのは超モダンな世界。ほぼ同時代のゴダールのSF『アルファビル』と比較するのも面白いかも。

前半、迷宮の様な真昼の高層ビル内の空間、日が暮れてからの中盤、箸休め的なアパート内の人々の生活、そしてクライマックス、レストランの開店から乱痴気騒ぎまで、息もつかせぬ程の展開を見せる。

夜通しのレストランの騒ぎが終わり、夜明けを迎える瞬間が良い。非日常から日常への回帰というか、何というか、例えば村上龍の『限りなく透明に近いブルー』を読み終わった後の様な、ほっとした気持ちにさせられるのだ。

また一応主人公はユロ氏だが、この近未来空間に暮らす全ての人々が主役と言える。敢えて一人の人間に対して焦点を当てる事はなく、全ての人々を同じ目線で見つめる。カメラは余計なアップやパンニングを多用せず、ロングショット、特に建物内では奥行きのある構図を重ねる事で、怖いほど冷徹な世界観を作り出す。

それでも、最後にユロ氏がバーバラさんにスカーフをプレゼントしてあげる場面など温かみを感じられる箇所もある。何より"笑い"に溢れている。だからジャック・タチが好きなんだよなあ!

この映画を作った後、巨額の借金を背負ったせいでタチは自己破産してしまう。しばらく映画を撮れない時期が続き、結局数年後に長編を一本、そしてテレビ映画を一本しか作れずに生涯を終えてしまった。その事を思うと何とも言えない気持ちにさせられる。


以下、印象的なシーン、ネタ

・病院かと思ったら空港
・ユロ氏を見下ろしているかのように見える肖像画
・ガラスに映し出されるエッフェル塔、モンマルトル寺院
・片方だけズレてるメガネ
・レストランのドアのガラスを豪快にぶち破るユロ氏
・ちょくちょく登場するユロ氏の"戦友"
・桂文枝師匠の如く、何回も天丼で椅子から転げ落ちる人々
・ジャズダンスを踊る人々の狂乱
・何も無いところにドアノブを回して、ドアがあるふりをするウェイター
・あちこち壊れるレストラン
・段々ボロボロになっていく可哀想なウェイター
・ウェイターが花にワインをやっている様に見える
・ラスト、ユロ氏から女性へののすてきなプレゼント
・街灯をユリの花に見立てたお洒落過ぎるラストシーン
Sari

Sariの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます


近未来のパリが設定のタチ流モダニズム。

ストーリーはお馴染みのタチ扮するユロ伯父さんが行く先でドタバタコメディを繰り広げる。タチが晩年自らの集大成として巨額の制作費を投じたこの作品。ガラスの超高層ビルや空港、博覧会場、アパートなどの街をまるごと巨大なセットで作っている。

静かな熱狂とでも言うべきか…
全てがとてもお洒落で洗練された世界。
これが1967年作とは…その完璧ぶりに脱帽。
無機質な建物、人々のファッションやインテリアなど細部に至る徹底ぶりにタチの映画へのそこはかとない情熱を感じ、ある意味狂気すら覚える程。ほぼ核となるストーリーは無くセリフもあまり無いが、お得意の前のめりで歩くユロ伯父さんの姿を観るだけでも、クスクスと静かな笑いが止まらない。画面の隅々までユーモアが凝らしてありなぜか目で追い続けてしまう。画面に次から次へと人々が入れ替わり立ち替わりする様はまるで人間版メリーゴーランドの様。終焉に向かいドタバタぶりが狂想曲の如く加熱し、白眉のナイトクラブのシーンに至ってはまるでオモチャ箱をひっくり返した様な楽しさ。観るたびに新たな発見がありそうで何度でも観たい。
この作品にもっと早く出会いたかった。
sksk

skskの感想・評価

5.0
神戸アートビレッジセンターで観た。

こだわりすぎてえらいことなってんだけど、ここまでやってくれたらお見事!のひとことです。
iceblue

iceblueの感想・評価

4.1
‘’ぼくのおじさん‘’や‘’ぼくのおじさんの休暇‘’はノスタルジックだけど、こちらはモダン。洗練された都会的なセンス。
ガラスに映るエッフェル塔や凱旋門のアイデアがお洒落。そしてまた神業的なタイミングで人が行き交ったりバスが通りかかったりする。
後半のレストランのシーンはもうカオス!どこをみていいのかわからない。これがすべて計算されているのかと思うと驚愕!
個人的にはイスの背の飾りにもちゃんとオチがあったので笑った。あのデザイン、気になってたんです。
かめの

かめのの感想・評価

4.5

なんか好き。でも好みの問題すぎて、人にオススメしずらい。
モダン。
実用性より夢のモダン溢れるセット

グレーの広々とした空間は空虚さを創り出し、そこに流れる哀愁ある甘いエレクトーン、滑稽な登場人物たちが加わり、独特の雰囲気が出来上がっていた。

セットで人工的な美を創り上げる映画がやっぱ好きなんだ。
フェリーニ、キューブリック

この作品で映画はやはり総合芸術だとわかる
第七藝術までのどれか一つさえ手を抜いてはいけない

この映画に飛び込みたい。
今まで見た映画の中で何故か断トツにノスタルジーの温かさを感じた。

この映画を見てからモダンな建築への興味が湧いた
(本日=2018年1月3日、鑑賞)

ジャック・タチ監督&脚本&主演の超大作であるが、ストーリーらしきものが有って無いようなものなので、なんとも言えないまま2時間観た。

ただ、「凄いな!」と思ったのは、クライマックスとなるレストランでの喧騒シーンであるが、100人以上は居る空間で「誰に焦点を合わせるでない撮り方」、つまり、手前の人は何かをしていて、その後ろの人も何かしていて、更に後ろの人達も何かしている、といった風に「全員の行動を全部映し出そうという試み」を感じるのである。

また、全編通じて、映像的にも「凄い!」と思ったのは、序盤で出てくる無機質な空間だけではなく、途中途中でガラスに映るエッフェル塔やモンマルトル寺院など不思議な感覚。
更に、映像的には、メリーゴーランドの様に回転する車の波が素晴らしかった。
照明も綺麗であった。

音楽も、「よくまぁ、これだけ続けるものだ」というぐらい流れている。

コメディとして作られたにしては、さほど笑える映画ではないが、ドアの取っ手を持ってドア開閉のフリをするドアマンなど、ユニークではある。

ジャック・タチはこの作品について「この映画は2~3回観ると、もはや私のではなく、観た人のイメージになるように作られている」という言葉が、この映画を顕著にあらわしている表現だと思う。

1回観ただけであるが、その片鱗を感じられただけでも嬉しい映画であった。
また、2回目以降にどんな印象になるかが楽しみな作品である。
ageless505

ageless505の感想・評価

5.0
「ぼくの伯父さんの休暇」「ぼくの伯父さん」に続きユロ氏が登場するジャック・タチ喜劇3作目。映像は美しく音楽は軽妙、心地よい<遊び時間>を味わえる作品。
大筋は、超近代的建物の中でユロ氏が仕事で会うべき人物になかなか会えず右往左往する前半と、アメリカ人観光客団体の女性とユロ氏がレストランで仲良くなる後半、という感じ。とにかく空港・見本市会場・レストランなど、不特定多数の人が往来する場を舞台に、不特定多数の人がこれでもかとクスクス笑いをブッこんでくる。
もはやユロ氏そのものもそんな大勢の中のひとりに過ぎず、そもそも起伏のある明快な物語があるわけでもない。主役もストーリーも消失させる演出、それでいてフシギなおかしさを堪えられない。それら全てコントロールする監督タチという人の<こだわりの狂気>を感じるほど。
ボタン操作に混乱する警備員や、美食を求める周囲の客をよそに安いパンを満足げに口にするユロ氏の姿など、笑いの中に顔を出す皮肉スパイスも多め。
個人的には、ロータリーでの渋滞シーンから一連の映像で遊園地の回転木馬を想起させるなど、映像を連ねて<イメージしりとり>みたいなことをしてるシーンが好きでした。
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