カピバラの娘

ザ・ラストサムライのカピバラの娘のレビュー・感想・評価

ザ・ラストサムライ(1990年製作の映画)
3.8
負けると分かっていても逃げない強さ、高尚な武士道精神。今の日本人が忘れつつある日本人独特の美学、強さを、アメリカ人の視点で壮大なスケールと共に描いた作品。これは日本が作った映画でないからこそ、日本人の精神や日本の美を見事に映画化できているのではないかと思います。

明治へ移行する時代に取り残された最後の侍「勝元」を、渡辺謙がこれでもかという存在感で演じていますが、正直、完全に主役を食ってしまっているように感じます。またこの映画では、渡辺謙の演技力だけが取り上げられがちですが、私は負けず劣らず真田広之の演技が素晴らしいと思いました。彼の見事な殺陣姿が主役のトムよりも目立ってしまったとして、彼のシーンが大幅にカットされたと言われています。

ストーリーは、侍の未亡人(小雪)の元に西洋人(トムクルーズ)がホームステイし、言葉や武術を学び、文化に惚れ、日本に惚れ、その未亡人にも惚れてしまって、けれども最後の侍(渡辺謙)と共に最後の戦に出向く決心をする....といった感じでしょうか。戦から帰ってこれたら永住するんでしょうけど。永住権はいつの時代も、自分の人生掛けないと手に入らないものなのでしょう。。