決定的なオチをつけないところがよかった。まさに寓話。観賞後はなんだこんなもんか、と思ったがメイヤスーの亡霊の話とかマークフィッシャー関連を読んだらなんとなく近いなと思った。
ディストピア作品は結果として内部の問題に回収されてしまいがちだけど、とりわけこの作品は明かされることのない「外部」が不気味すぎる。外部は、『Arrival』のように内側にあるのか、宇宙にいるのかも分からない。とにかく、外部があることだけを知ってしまっている状態と黙字録がある。だからこそ、ラストシーンを許容し人類を救済することを受け入れるのか、否定し黙字録的な希望を見るのかは見る人の人生観によって別れるような気がした。