トノモトショウ

タイム・オブ・ザ・ウルフのトノモトショウのレビュー・感想・評価

タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)
4.0
法や秩序があってこそ善良な社会があるのであって、それが崩れる終末をどう生き抜くか、というのは人間の本質を抉るように描こうとするハネケにとっては究極のテーマだろう。サバイヴするためには殺し、奪い、他者よりも自己のために行動するのが正しい。純粋な自己犠牲が希望に繋がるという、わかりやすく美しいラストを選択したのは意外だったが、その幻想にいつまでも縋り付いていたい。