ぱんぴー

グリズリーマンのぱんぴーのレビュー・感想・評価

グリズリーマン(2005年製作の映画)
3.5
邦題は「プー太郎とお腹が減った熊」でいいだろうか。
熊を愛し、文明社会に中指を立て、自然に殺された男のドキュメンタリーです。


このグリズリーマンことティモシーという男、
最初はクマが大好きなクリストファー・ロビンみたいな人のお話なのかなあと思いながら観ていたのですが、途中からどんどんとイカれた一面が出てくる出てくる。

「俺が熊を守る!動物が法だ!」
と言いながら汚い言葉をカメラに向かって吐き捨てる姿は、完全に宗教に浸かっている人間としか思えませんでした。

現実の熊とほほえましく会話したり、触れあっているところを見ていると、もしかしたら熊と人間って仲間として分かり合えるのかな、って思えてくるようなシーンもあったのですが、その度に度々映画の中で語られる彼の最期のことを思い出し、人間の単なる思い上がりだと背筋を正しておりました。

もし全ての動物の本質が同じだとしたら、と思うとあまりにも人類にとって救われない結末な気もしますが、
残された音声テープから分かったグリズリーマンの死ぬ間際に取った行動は、間違いなく人類にしかできない行動だったと希望を感じることのできるラストでした。
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