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吸血鬼ノスフェラトゥの10000lyfhのレビュー・感想・評価

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)
3.0
吸血鬼映画の古典の一つ。基本的には単純なネタながら、不動産営業、そのための往復の道中、ノスフェラトゥの筏と帆船での片道の旅、疫病など、いろいろな要素が盛り込まれ多岐にわたる場面があり、面白みのある長編ストーリーに仕上がっている。ノスフェラトゥのルックスは、現代目線では笑ってしまうが、主人公の妻役の女優の鬼気迫った演技は秀逸。映像では、帆船が美しく映えるし、象徴的に使われている食虫植物や透明な水中生物は面白く、クライマックスの階段でのノスフェラトゥの影は印象的。編集/ポスプロ面でも、かなりの創意工夫の跡が見られる:棺桶を荷車に積み込む時の早回し、自然に開く船倉出入り口やドアを表現するストップモーションアニメ、透明のノスフェラトゥやその消失を表現するフィルム重ねディゾルヴ、など。劇伴については、オリジナルの Hans Erdmann の音楽は失われているとの情報があり、彼の名がクレディットされているヴァージョンであっても、実際には彼の音楽ではないと思われる
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