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隣人13号のamのネタバレレビュー・内容・結末

隣人13号(2004年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

硫酸の事件が起こる前、机に花瓶が置かれていることで怒って赤井の頭を花瓶で殴っていたら、今銃を向けている時のようにすんなり「悪かったよ。ごめんな」と謝ってもらえて、アルバムにも右上に載るのではなく普通に集合写真にも写って、卒業後は元いじめっ子たちと四人一緒に卒業アルバムの写真映りをいじりあったりしながら仲良く中学生活を送る。中学一年生13歳。
そういう未来があった。

その想像が出来たから、謝られたら「言うな」と言って困惑した。

早く怒って謝ってもらって仲直りして仲良くなればよかった。早ければ早いほど良かった。という後悔で、アパート解体と13号がその中にいたのも、あったはずの楽しい未来にはアパートに来ることはないからその存在は必要なく、顔に火傷の跡が残ることもなく恨みを募らせることもなかったという描写。

我慢して耐えて恨みを募らせて後で復讐するより、嫌なことをされたら即物理で反撃して怒って謝らせて仲直りするのが良いという話。
意地でも謝らないタイプの人には有効ではないけど、赤井は意外にも、相手が怒らなかったら増長するけど怒られたら謝れる素直な性格だった。

小屋の描写の時は、小屋が閉じた内面の世界で、小屋の外が現実。小屋を出た方の人格が現実で行動する。だから13号の存在は小屋の外から中に来るより、中から自然発生した方がわかりやすい。
最後十三の人格が自主的に小屋から出るけど、現実の十三の姿はずっと冒頭みたいに顔に火傷の跡があるままだと思う。あの冒頭に小屋で一人でいるのが本当の姿と人格。13号が来てからは13号に顔の傷跡を負わせていてるので、他人からは見えていても顔に火傷の跡がないように振舞っていただけ。
そして13号は内面の世界からは最後は去らずにこれからも居続ける。
アパート解体と13号とは出会わない、理想の空想とは違う。

原作は忘れたから映画の話
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