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今日、キミに会えたら(2011年製作の映画)
3.8
出会って惹かれ合って、どうしようもなく切ないくらいに愛しているのに、何かがキッカケとなって幸せな日々が崩れていってしまう二人の男女の物語。
内容的にはただただ切なくて苦しくて、そう何度も観続けたくなるような作品ではないのだけど、この監督の描く繊細な心の揺れ具合だったり、微妙な男女の距離感や空気感が好きでふと観たくなってしまう作品です。

二人が崩れていってしまうキッカケというのが自業自得といえばそれまでなのだけど、それも若さゆえというか愛しすぎるがゆえというか・・・
そうして始まった国境を越え、海を越えての二人の遠距離恋愛。

セリフは全て即興によるものらしいのだけど、それがまた即興とは思えないほど詩的で美しい。

中でも印象的なのが、アントン・イェルチン演じるジェイコブの
「僕は君の人生の一部じゃない」
というセリフ。
会いたくても会えない状況となり、会えない分だけ相手への想いは強く深まるばかりなのに、どんなに好きでも相手には相手の生活がちゃんとあって、やっと会えた時には離れて過ごした時間の分だけ距離が生じてしまっていて疎外感を感じてしまったり。例えば自分の物語の人物相関図を描くなら、自分のすぐ隣りにいるのは彼女で、彼女の物語の相関図では彼女のすぐ隣りにいるのは自分のはずなのに、実際には遠く離れた相関図の枠の外にいるような気分。
遠距離恋愛の経験のある自分には、あぁ分かる、分かる!と痛いくらい共感してしまうことばかり。(私は不法滞在はしてません。笑)
ラストシーンも曖昧なままだけど、エンドロールで流れるSTARSの「Dead Hearts」の歌詞がまさに二人そのもので、また切なさが増してしまう。

そんな遠距離恋愛あるあるが詰まった切ない物語ではあるけれど、デートの帰り際にアパートのエントランスのガラス越しに手を合わせる二人や、家具デザイナーのジェイコブが彼女のために作った椅子の裏に彫られた"LIKE CRAZY"の文字にはキュンとさせられます。喜んで飛び跳ねるフェリシティがもう可愛いすぎ!

原題「Like Crazy」の方がしっくりくる気もするけれど、「今日、キミに会えたら」
そんな遠距離恋愛をリアルすぎるくらいリアルに描いた作品。
間違っても今、恋が始まったばかりの人や幸せな恋愛をしている真っ最中の人にはおすすめできませんが、遠距離恋愛をしたことがある人、誰かをどうしようもなく狂おしいほどに愛したことのある人には何かしら共感出来る作品かと思います。

そして、フェリシティ好きの私には彼女の魅力が詰まっていてたまらない作品。
フェリシティって役やメイクによって全く印象が違って見える女優さんだけど、当時26,27歳なのにちゃんと大学生に見えるし、相手役アントン・イェルチンとも実際は5歳差くらいあるのに全く違和感も感じなくて、本当に幅広い女優さんだなぁと思います。小柄で小動物みたいに可愛らしくて、ニコッと笑った時に見える前歯がまた愛らしい。でも可愛らしいだけじゃなくて、凛とした強さもあって。
同監督の「あなたとのキスまでの距離」でもヒロインとして出演しているし、次回作もフェリシティで撮ってほしいなと思っていたら、次回作はクリステン・スチュワート&ニコラス・ホルト!
どんな作品になるのか楽しみです♪