アズマロルヴァケル

風に濡れた女のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

風に濡れた女(2016年製作の映画)
3.4
ただ単純に面白い映画

・あらすじ
自給自足の生活を送っていた劇作家の柏木。ある日、港で本を読んでいると、砂浜から全力目掛けて海へと自転車に突っ込む女性の姿が。女性は沖に上がると突然Tシャツを脱いで上半身裸になると、泊めてほしいと言うのだったが、柏木は断ることにした。

翌日、電源の供給をしに柏木のボロ家へ訪問に来る整備工場の湯沢と一緒にコーヒー豆を貰いに喫茶店を経営している久保内さんのところに来た。しかし、喫茶店に来るとそこにいたのは昨日の女性だった。彼女はこの喫茶店で働いているらしい。

翌日、柏木が無人販売で野菜を買い終えてボロ家に戻ったところ、そこには見知らぬ男とセックスをしているあの女性の姿がいた。

・感想

内容自体はほぼほぼ面白く、やたらとコミカルかつコメディ路線。そして清々しい。多分だけど、こういった18禁映画または日活ロマンポルノの映画としては初心者でもまあ見易いほうであり、ジャンル的にもセックスシーンがふんだんに盛り込まれているけれども笑える要素が挿入されているので見てて心地よいものではありました。

笑えるところをあげるとすると、まず柏木がかつていた劇団の団員が4人ほど登場するのだが、そいつらがある意味セックス要員でしかなく、誰かが異性とセックスしていたらホイホイとやって来るところはグンタイアリのように群がっていて面白い。

それで久保内さんと柏木があの女性のことでトラブルを起こし、あの女性が久保内さんの婚約指輪を奪って更に柏木の口元に飲ませるという行動をし、柏木が湯沢に柏木に婚約指輪を渡して返すように託すんだけど、それがラストで意外にも悪用されていて何やってんだよ!と驚くしかありません。

そして、柏木のファンだった劇団にいる助手と柏木が身体を重ねて結ばれるんかなぁと思いきや、助手が高校の先生に無理矢理肉体関係を作られたことを知ると柏木が助手を突き放しちゃうのですが、
その時点でまあ性で心の傷を負ってるのかなぁと思って柏木が突き放した?から
まあモヤモヤするけどそうなるか。と思って助手が引きずるんかなぁと思ったらそのあとふら~っと口笛を吹いて気持ちの切り替え早いなぁと思ったりとなかなか突き抜けた展開。ファンだった柏木と別れたのに夢の時間というのはそんなにあっさりしたものなのかと。

だけど、中盤で柏木と助手がセックスしていたりする下りとかはまあエロくて見応えはあったんだけど、ラストで柏木とあの女性が柏木の家と久保内さんの喫茶店でセックスするのですが、何故か妙にエロさがない。他の登場人物が結ばれて
セックスしたりするシーンがあるんだけどそんなにコミカル路線に行きすぎてエロさが減衰したような感じではあった。

ラストシーンであの女性が柏木にあるメッセージを残すのだが、まさにあの女性の思うツボにされたと共に風と共に去っていった様は流石。そしてラストシーンで虎の鳴き声のあとにエンドロールというのもまあシュールで異色だった。