BOB

シュレックのBOBのレビュー・感想・評価

シュレック(2001年製作の映画)
3.5
初代アカデミー長編アニメ映画賞を獲得するなど、ドリームワークスを代表するアニメシリーズの第1弾。

"Layers. Onions have layers. Ogres have layers... You get it? We both have layers."

公開間近の『長ぐつをはいたネコと9つの命』の評判が良さそうなので。ドリームワークス作品は、『ヒックとドラゴン』トリロジー以外未鑑賞。

なるほど。アニメ映画の"クセに"邪悪な匂いがして観る気が起こらなかった作品だったのだが、それこそドリームワークスがやりたかったことだったのか。"醜く、汚く、下品に"。最近でいうと、『DC』『Marvel』に対する『The Boys』みたいな作品。

さすがにやりすぎちゃうかと怖くなるほど、ディズニーをはっきりと意識している。古典的ディズニープリンセス映画のお約束を尽く皮肉混じりに破ってくる。今観ると大きな驚きはないし、逆にしつこいとすら感じたが、2001年公開時は革新的だったのだろう。

大人気"ディズニー・キャラクター"が総出演。ディズニー映画に明るくない自分でも、『美女と野獣』『シンデレラ』『白雪姫と七人のこびと』『眠れる森の美女』『ピノキオ』『3びきのこぶた』『カントリーベア』ぐらいはパッと思い浮かんだ。

プリンセス・フィオナ役のキャメロン・ディアスがハマり役。思い切りの良さやオープンな人柄が合っていた。自らの歌声で鳥が破裂したのをラッキーとばかりに、その卵を目玉焼きにして食べたり、豪快にげっぷをしたりと、従来のプリンセス像を打ち破るプリンセスだった。

ドンキー役のエディ・マーフィ。お得意のマシンガントークは単純に面白かったし、『48時間』『ビバリーヒルズ・コップ』などアメリカ映画史における人種の壁を壊してきた彼が、"醜い怪物"と"美しいプリンセス"の仲介役を担っていることにも大きな意味があると思った。

シュレック役のマイク・マイヤーズって、『オースティン・パワーズ』の人か。

サントラが、オリジナル曲ではなく、既存のポップソングから構成されているのも、ディズニー映画とは対照的。

トイレから始まり、泥シャワー、沼浴と続いていく"All star"♪がアイコニック。観客に先制パンチを喰らわすことにも、『シュレック』の世界観を紹介することにも成功している見事なシーン。

"I thought love was only true in fairy tales."

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