こたつむり

シュレックのこたつむりのレビュー・感想・評価

シュレック(2001年製作の映画)
4.0
♪ もっと強く強く
  夜明けのまぶしさを待って
  暖めてあげるからそばにいて

某有名漫画家さんオススメのサスペンス映画!
って…えーと。
常日頃から、その奇妙な着想に「シビレて憧れて」いるわけですが、本作をサスペンスと定義するのは…ちょっと“こじつけ”感が否め…もごもご。

でも「本作が好きだ!」という気持ちは共感マックス。確かに王道から外れた物語は「奇妙な冒険」ですからね。ノリだけで“変なポーズ”を描いてしまう姿勢と似ているのです。

また、シュレックと同じように、第一印象と中身が大きく違う(と思う)僕にとっては、彼の存在自体も共感マックス。だから常に前のめりでした。クライマックスでは涙腺崩壊寸前で…いやぁ。危ない、危ない。

特に主題が良いですよね。
外見で判断するのは無知の証…と《ワノ国のお侍さん》も言っていましたが、確かに魅力が傑出するのは“笑顔”。心の底から笑えば、人の顔は“まんまる”になりますからね。

僕が思うに、人の笑顔こそが真円。
巷では「完全なる円など概念でしか存在しない」と言われていますが、忌憚なくニカっと笑った顔は夜空にポッカリと浮かんだ月よりも“まんまる”なのです。

だから、多少の“奇妙さ”なんて些細な話。
考えようによってはグロテスクな場面もありますが、それを含めて『シュレック』の世界。確かに一般受けはしないかもしれませんが、本作に“癒される”人もいますからね。多様性って大切です。

あと、臆病な人間を代表して言うならば“一歩踏み込んできてくれる友人”の尊さも再認識しました。その姿勢に甘えてはいけないと思うのですが、どうしてもねえ。足が出ないのですよねえ。

まあ、そんなわけで。
独特のテンポで描かれた独特のアニメーション。賛否両論になるのも分かりますが、繊細な配慮に満ちたディズニーと違った方向を攻めたのは“アリ”だと思います。柔軟な感性を持つ子供ならばスルッと呑み込めることでしょう。
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