Angeprunelle

狼の時刻のAngeprunelleのネタバレレビュー・内容・結末

狼の時刻(1966年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

深く心酔すること
深く傾倒することの危うさを
奇抜な芸術的センスで描いた作品✧

そしてユーハンとモーツアルトの対比♬

芸術は無意味だと自覚していて
芸術が精神崩壊を引き起こし
それでもなお芸術を追求し続けてきた監督。

人の心理って不思議だな✧
己と闘ってきたんだな。

この世は大抵の事が無意味。
無意味な事に人間が後から意味付けするだけ。
だからこそ“生”が豊かになるんだろうけど
結局のところその全てのものは
曖昧で不確かなものでしかない。

けれどなんとなくみんなが足並み揃えて
これが芸術❣❣だとかこれが正しい❣❣とか
これは優秀だ❣❣とかこの人は天才だ❣❣とか
当たり前のように洗脳され
当たり前のように語っている。
それが価値あるものだと信じて・・・

それはきっと人間の持つ承認欲求ってもののせいで
人はきっとそれから逃れることは出来ないのだろう。

無意味でも自分にとって価値あるものと出会い
それをとことん追求しとことん愛して生きていくなんて
最高な人生ではないかとも思うけれど
それだけじゃちゃんと立ってはいられないんだな。

結局自己完結では幸福になれない。
自己完結にプラスαが必要で
それは自分で埋められるものではない。

芸術家の苦悩。
夫を愛するがゆえ全て苦悩すらまるごと共有したい妻。

シュルレアリスムな作品✧
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