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狼の時刻のyのレビュー・感想・評価

狼の時刻(1966年製作の映画)
4.7
非の打ち所が無い面白い映画。

「野いちご」や、この「狼の時刻」、ポランスキー監督の「反発」を見た時
デビッドリンチは影響を受けたかなぁと思った。

リンチ監督は観客の意表を突くとか、シンボル(印)を入れたり謎解きもさせたりしているものもあるけど?
狼の時刻は難解にするために、何が現実で何が幻想なのかはっきりさせないのではないと思う。
監督がしたいのは謎解きを観客にさせることでは無く、
幻想を見た人の追体験をさせた映画だから、どこが現実でどこが幻想か分からないので成功なんだと。夫も最後は妻も何が現実で何が幻想なのか分からなくなっている。見直しても答えが出ないので正解だし、監督は成功していると思う。

不気味な不穏な音、野いちごでも使われていたけど、この作品も上手に使っている。

マックス・フォンシドー、リブ・ウルマンいつもながら上手い。
「恥」もこの二人で夫婦で演じていたけど、どんな役でもござれ感が凄い。特にリブ・ウルマン。
人を深掘りする監督さんなので演じる方もやりがいがありそう。

終盤のお城の一室でマックス・フォンシドーが見た光景の不気味で前衛的なこと!
あの時代に凄い。
オリジナルにあふれ、本作品も「監督、頭良すぎる」と感動。

興行収入や知名度と映画の善し悪しは違うなぁと思わずにいられない。
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