アンタレス

ベンジャミン・バトン 数奇な人生のアンタレスのレビュー・感想・評価

3.6
2005年、ニューオリンズ。大型のハリケーンが迫る病院の一室。老女デイジーは、息も絶え絶えになりながらも、娘のキャロラインに昔話を語る。自身の過去と、数奇な運命を辿った一人の男、ベンジャミンの人生を。

時は遡り1918年。WWⅠの終戦に賑わうニューオリンズの街では、めでたくも一つの産声が上がる。しかし、その産声の主は養護施設の前に置き去りにされてしまう。その姿は、産声に似つかわしくない、80歳を越える老人のようだったのだ。ベンジャミンと名付けられたその幼子は、運命に翻弄されながらも、生を全うするのである。

エピローグでも述べられているのだが、様々な登場人物がベンジャミンと関わりを持つ。その人物が個性豊かで面白い。自身の境遇はもちろんのこと、この人物達との関わりも数奇な運命の一端であると感じた。
琴線に触れるような作品ではないのだが、ベンジャミンという男の、ひとつの伝記映画を観ているようで楽しめた。
アンタレス

アンタレス