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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のEditingTellUsのレビュー・感想・評価

3.9
February 10th

David Fincher監督作品。
David Fincherっぽくはないかな。
サスペンスではなく完全にドラマ映画で、彼が作り出す心臓を握り締められたような空気感は感じることができなかった。

しかし、彼の特徴は大きく出ていたと思う。一番今作を見ていて目に入ったのは照明。基本的に照明はフレームの外にあり、本物らしく見せるというのがプロダクションの決まりごと。だから、メイキングとかを見ていると、こんなに狭いところで撮影してたの?とか思うことが多々ありますよね。これはこの作品でもあるんですけど、それ以上に彼の作品といえば、フレームの中にかなり照明が入ってる気がする。ホテルのランプや天井の照明など。これってかなり操作するのが難しくて、エクスポージャーとか照明とかはこれを基準に取らなくてはいけなくなってしまう。かなりプロダクション大変だろうなと思います。でもその分効果覿面で視線の誘導がかなり効果的になっている。彼の作品を見ていて思うのは、フレームの中の見るべきところを見させられているなってこと。そんんだけ彼自身が視聴者の側に立ってフィルムを作れているということ。大事なことですね。

あとはやっぱメークアップすごかった。年を取っていくって言うのは映画にとってみればかなり難易度高いテーマだが、時間スケールを正反対の二つのベクトルにするなんて。

ストーリーは80年の物語を2時間40分で語るってことで、そりゃーむずいでしょう。なんせトリッキーな設定なだけに導入もいる。そのせいもあり少々ダラダラした感じはありました。けど、いろんな工夫が施されてたと思います。ストリーテラーを作ったり、登場人物をいくつかポイントで持ってきたり、前半と後半に分けたり。まぁそれでも少し難しい題材でしたね。

Daisyが事故に遭うシーンは好きでしたね。これが日記の1ページだとしたらめっちゃ文学的才能ないですかBenjaminさんよー。
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