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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のstneのレビュー・感想・評価

4.3

「歳をとりたくない」
「あの頃の若い自分に戻れたら」

そんなことを、誰しもが考えている。

では、それをひっくり返してみてはどうだろうか。
生まれてから、死に向かうに連れてどんどん若返っていく。
そんな、僕たちの願いを具現化した人物は幸せだろうか。何の悲哀もなしに、笑って死んでいくのだろうか。

その問いは非常に挑戦的だ。
でも、挑戦的であるがゆえにこの作品は僕達を惹き付ける。

誰しもが戻れない時間を生きているし、時計の針は一方向にしか進まない。例え、若返るという人生があったとしても。

それは確かに悲しいことだ。
だけど、映画を見ているうちに、パートナーと、そして家族と周りの人と、例え姿が醜くなっても一緒に同じときを過ごすことは素晴らしいのだと強がりなしに言えるようになる。


『老いることは素晴らしいことじゃないか。』

映画が提示する結論は時に凡庸だ。
でも凡庸であるということは、普遍的ということだ。
普遍的ということは、大切だということ。
そして、日々の生活に忙殺される僕達はそんな大切なことを簡単に忘れてしまうから、こういう作品を何度でも観たくなる。