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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

4.2

世の中には、遠距離恋愛といって距離が離れる事により分かれるカップルもいる。
この映画の男女は、時間的にも離れてしまう。いや、時間的にすれ違ってしまうのだ。
元々、年の離れていた二人の年齢が近づいていき、両者共に妙齢になった状態(両者とも美しい)で交わされる僅かなココミニケーション。切なすぎる、短過ぎるコミニケーション。

今や巨匠となったデビッドフィンチャー監督の中でも『ファイトクラブ』や『セブン』なんかに比べて少しナメラレてる感あるのは気のせい?
俺はこの作品も大好きです。
【記録漏れ 2010年頃鑑賞】








単なる切ない哀しい恋愛映画ではない事が再確認できた。
もし、そうであるなら、デイジーとベンジャミンの「会いたいけど会えない」描写にもっと時間を割くだろう。

でもこの作品では、人生の中に登場し、自分の世界を広げてくれたり、新たな価値観を与えてくれる人物達にも時間を割いている。
それらの人達(ピアノのお婆ちゃんは名前さえ覚えて無かったが!)は、人生のラストに思い出として蘇る程、重要だったのだろう。
✔川のほとりに佇むピグミー族のあいつ。
✔自分の身体にタトゥーを掘る「アーティスト」、頼れる船長でありハチドリとして飛び去った。
✔船でであったあの人妻、泳ぐ人。
✔お母さんクイニーはいつも優しくて思い出すだけで優しい気持ちが湧き上がってくる。敬虔なキリスト教徒ってああいう人の言葉をいうんだろう。

ベンジャミンが娘に宛てた手紙は涙なしには聞けない(ダサい表現で恥ずかしい)。
人生とは何か、という事を考えずにはいられない傑作でした。
【2020.7 久々に見返しての感想】
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