木彫り職人のゼペットさんは心を込めて一体の人形を作ります。
そしてその夜、窓から見える一つの大きな星に人形を本当の息子にして欲しいと願いをかけます。
するとブルー・フェアリー(精霊)が現れて人形に命を吹き込んで…。
言わずと知れたイタリアの童話を元に、ディズニーが魔法をかけた傑作。
ディズニーとしては世界初の長編カラーアニメ、『白雪姫』に続く2作目です。
ゼペットじいさんによって造られた木彫りの人形・ピノキオは、ブルー・フェアリーによって命を捧げられ、正直で勇敢かつ優しくなれば本物の人間の子供にしてあげると言われる。
善と悪や正と誤など、教育的性格の強いストーリー。
「良い事をすると幸せになる」
ではなくて、「悪いことをすると不幸になる」に重きを置いている。
80年近く前の映画で、その時代にこれほどのアニメーションを作り上げたことにまず感慨深さを感じる。
1940年とは真珠湾攻撃の前年で、まだ太平洋戦争に突入もしてなかった時代と云う事をふまえてもらえば、より驚きを増幅させる事出来るだろう。
しかしこの映画、大人になって再度みてみたら、これって結構シュールだな・・・とおもった。
子供がロバになっちゃうところは戦慄が走ります。
マジこわかったです。
雰囲気としてこれでもかってファンタジーですが、その本質は、現実主義的なディズニー映画でした。
でもやっぱり歳をとったせいか、色々なところにツッコミを入れちゃって…。
心が腐敗したな、私も…。
ぶっちゃけ、バカなんですよピノキオが。
"良心"ジミニー・クロケットの諫めを無視して、次々に誘惑に引っかかって…その度に後悔。
ピノキオがまじ悪そうな顔してタバコ吸うシーンとかもあるし。
でもそれは成長した自分の視点からなわけで、これをピノキオの成長の物語として捉えるなら、ディズニー映画としてはかなり現実的。
ピノキオの純粋さがまたイラっとくる時もありますが、見て損はない一本だと思います。
悪いことをしちゃいけません。
嘘をついてはいけません。
世の中には誘惑であふれているから、良心にしたがって正しいことをしなくてはなりません。
大人になるとわかることは多いけれど、大人になるにつれて忘れていくことも多いような気がします。
出さねばならない書類をそっちのけで遊びまわっている私に、良心の声を聞く耳を与えてくれたような気がしました。
星に願い、間違った道に進んでも、行いを改め愛を捧げれば夢は叶うとは少々安易な気もするが、幼少期にこの教えを肝に免じるか免じないかでは、成長する過程での障害があることは間違いない。
挿入歌でディズニーの代表曲でもある「星に願いを」も最高です。
ところで、ロバになったピノキオ以外の子供たちは、結局その後どうなったのでしょうか? ?